【TECH BLOG #34】「第1回GREE ENT GameJamを開催してみた」

グリーエンターテインメント株式会社 エンジニア部 技術戦略チームの山路です。
今回は、2022年1月末から2月にかけて社内で開催した、グリーエンターテインメントで初の開発イベントGREE ENT GameJamの開催について、運営目線で書かせていただきたいと思います。
開催までの経緯
とあるチームのリードエンジニアとしてメンバーとの1on1で、こんなことを質問されました。
「うちの会社ってGameJamとかって無いんですか?」
私が、グリーエンターテインメントの前身であるファンプレックスに入社してから、それっぽい開発イベントが開催された記憶もなかったので、「無いんじゃないかなぁ。やりたいなら技術戦略チームの定例とかで議題にしてみますよ。」と、定例MTGの議題として上げることにしました。
※技術戦略チームについては、#25 でも紹介しています!
すると、いままで何度も企画されては消えていった施策ということがわかり、今回私の提題で久しぶりに議題にあがり、そのまま私の担当企画として実施に向けてスタートすることになりました。
イベント内容を決める
社内で開催経験の無いGameJamをゼロから作っていく必要があるので、
まずはGameJamのイメージやこうであるべき、などといったイメージを運営メンバーで話し合いちょっとずつ僕らの中のGameJamを形にしていきます。
草案として出来た内容は、下記のような感じです。
●テーマ(お題)に沿ったゲームを作る
●テーマ発表から完成までを1週間くらいの短い期間で実施する
●チームで制作する
●参加者の投票でグランプリを決める
●エンジニア参加に限定する
ごくごく一般的なGameJamと同じような内容に落ち着きましたが、今回は初めての開催ということもあり、サポートやコントロールがしやすいようにエンジニアのみの参加に限定して実施することにしました。
どのようなテーマにするのかは、もう少し企画が煮詰まってから決めることとし、まずはイベント内容についてブラッシュアップしていく方向で進めることにします。
何を目的とするかを決める
大枠の概要が決まった段階で組織として何を目的としてGameJamを開催するのかを具体化していきます。
グリーエンターテインメントは、前身のファンプレックス時代から培ってきた「運営力」に加え、グリーエンターテインメントとして「開発力」の増強にも力を入れている転換期です。
「開発」のベースとなるようなチカラを身につけるような下記の目的を設定しました。
●自分たちで実装方法を考える力と実装する速度を強化
●コミュニケーション能力の強化
●アプリビルドなどの基礎的な部分の理解
開催に向けての準備
イベントの土台となる部分が固まってきたので、改めて運営として何を準備して、どの様に開催するのかを詰めていきます。
運営の準備スケジュールを明確にする
定常の業務の合間を縫って準備を進める必要があるので、タスクごとのスケジュールを細かく設定しました。
内容を具体化する
草案としてあげた項目を一つずつ深掘りします。
まずは、開発要件です。
「テーマ(お題)に沿ったゲームを作る」という基本的な要件以外にも、グリーエンターテインメントの領域の一つであるスマートフォンのソーシャルゲーム業界という環境に合わせて
●スマートフォンアプリ(16:9or9:16)に対応する
●Unityでの開発
という要件を追加しました。
次に、テーマ(お題)の選定です。
運営メンバーのMTGで複数出たテーマのうち「人によって解釈の幅があるもの」「ネガティブな連想をしにくいもの」「シンプルなもの」を意識して、「つながる」というテーマを設定しました。
そしてチーム開発についての見直しをします。
今回は「エンジニア同士のチーム」という一般的なGameJamのような「様々な職種が入り混じったチーム」ではないことから「個人チーム」を許容するように設定し、テーマ発表を開発開始の1週間前にすることで、テーマに基づく企画やスケジューリングなどの事前準備期間として活用できるようにしました。
最後に、開催方法についてです。
企画を開始したタイミングでは、新型コロナの感染状況が落ち着いていたということもあり、感染対策などを配慮してリアルで集まり試遊会を開催したいと考えていました。
しかし、年明けから感染者が増加傾向に変化があり、様々な要因を考慮しフルリモートで開催する方針に変更しました。
参加者を募る
参加者の募集はSlackで告知をし、Googleフォームで実施しました。
実は、これが一番苦戦したところで、Slackで全体周知をしても見ていなかったり、見ていて認識していたけど後で入力しようとおもって放置してしまっていたり、そもそもGameJamって経験が無いから不安・・・って人がいたりなど、様々な理由で参加希望者がなかなか伸びませんでした。
一番クリティカルだったのは、「通常業務の開発が佳境でGameJamに割く時間を取ることが出来ない」という理由です。
複数のチームで、アプリの大型アップデートや新規リリースなど、大きな節目のタイミングにぶつかってしまい、参加したいけどスケジュール的に参加出来ない、見送ると言った方が多く出てしまい、開催時期の変更も検討しました。しかしながら、このタイミングで延期をすると、そのタイミングでまた何かしらの要因で開催が危ぶまれた際に、同じことが繰り返され再延期・・・となってしまうと最終的に開催することすら出来ないと言った懸念もあり、できる限り人を集めて開催する方針としました。
ただ、それでも応募が集まらなかったので、参加フォーム以外にもDMで直接連絡をして、GameJamへの興味や参加意思を確認して、開催できるだけの参加者を集めることが出来ました。参加してくださった皆様、感謝です・・・!!
準備を進める
開会式・発表会で使用するスライドや、投票フォームなどの周辺ドキュメントなどの他にも、成果物納品用のGoogleDriveを用意しました。
成果物となるipaはAdHocビルドで配布します。事前のUDIDの登録やプロビジョニングの発行などを行い、各チームに配布する必要がありその準備などが必要となるので、それらの準備も並行して行いました。
発表・試遊会
当日はリモートでの開催ということなどもあり、発表会は「テーマの解釈」「こだわったポイント」などを軸にそれぞれのチームに画面共有をしてもらいながらの発表です。
「つながる」というテーマを様々な角度から解釈してもらい、4チーム4様の個性的なゲームが完成しました!
試遊会では、進行役のデバイスを画面共有しながらゲームをプレイし、質問をしたり、チャットでプレイ状況を報告し合ったりなど、リモート開催ならではの様子となりました。
そして、1時間程試遊会を行った後、参加してくれた人それぞれにGoogleフォームで投票をしてもらい、グランプリの表彰です。
見事グランプリに輝いたのは、個人チームで参加してくれたOさんでした!
おめでとうございます!
ポストモーテムの実施
開催後、実際に参加して開発をしてくれたメンバーの方にアンケートを取ったところ、「他のチームがどの様に開発を進めていたのかが気になる」という声を多数頂いたので、各チームにどの様に準備をして、どの様に開発を進めたのかを発表してもらう振り返り座談会を実施しました。
お子さんのいる方は、自身の育児・家事タスクもスケジュールに組み込んだり、ゲームの企画の立て方もそれぞれのチームで全く違う手法を採用していたので、とても有意義な振り返り会になったのではいないかと思います。
まとめ
私自身、こういったイベントをイチから企画しどういった内容にしてどの様に運営するかを考えるという経験が初めてだったので、色々と拙い部分も多く様々な方にご迷惑をおかけしご協力頂いた結果、無事走り切ることが出来ました。
参加者の方には、直前に納品予定のないバイナリの出力をお願いすることになってしまったりなど、無理なお願いもしてしまいましたが、概ねいいフィードバックを頂くことが出来、ひと安心です。
社員のちょっとした一言からスタートしたこの企画ですが、今回の反省点をまた次の開催に活かして、グリーエンターテインメントの新しいエンジニア文化として、GameJamイベントを今後も盛り上げていきたいと思います。
本件に関するお問い合わせ先
グリーエンターテインメント株式会社 広報担当
東京都港区六本木6-11-1 六本木ヒルズゲートタワー
E-mail:info-ent@ml.gree.net